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ル·コルビュジエ展行ってきた感想

5月の話だが、文章に残していたのでここに記しておく。

上野に買い物に行ったはずが、ル·コルビュジエ展へ行くことになった。 私は本当にに気分屋だなと思う(笑)

あのル・コルビュジェが設計した、国立西洋美術館の60周年記念での展示であった。

 私は、ル・コルビュジェの絵に幾何学性を感じた。建築家としてはその意識が必要なのだろうか。   ホールに入ったとき、19世紀ホールなるものがあったが、そこにはあまり無駄のない空間があり、合理性を感じた。西洋美術館は無限成長美術館ともいわれているようで、外へ増設し続けられるように設計されているところも合理的だ。  そこにはル・コルビュジェ考えである、過去を受け止めつつ進化を受け入れる姿勢と、美しいものには規則があるという考えが反映されているようであった。

 彼のその合理性は、幾何学的な美しさであるピュリズムという1920年ごろの思想に現れる。ピュリズムは日本語で言う純粋主義のことである。  具体的に心に残ったものとしては、モデュロールという彼なりの黄金比があったことである。モデュロールとは、1.85m人間を基準として合わせたものであり、それが天井であったり空間の大きさであったりを決める際の基準となっている。それによって、自然と機械の調和がとれて結果的に美しい空間になっていくのだという。

 また、絵画表現だと、モチーフは瓶や楽器など長い時間かけてより実用的なかたちを、平面構成のように無駄のない形で描く、まさに、純粋な絵であった。 芸術にも規則は必ずあり、下絵を見てみるとそれが印象的であった。

キュビズムが1908年程に流行したが、似て非なるものだという。 私は似ているとおもうのだけどなあ。

彼の作品には、自然光を多く取り入れるところが素晴らしいと思ったが、色による強弱のすばらしさは私には理解しがたかった。

追記としてここに記しておきたいことがある。家は住むための機会である。この言葉はル・コルビュジェの言葉であるが、日本の有名な建築家隈研吾さんはこの言葉を、家はミシンのように、それがあることによって合理的になるだけでなく、自由度が上がることを指し示すと解釈した。 とても面白い解釈だと思う。あなたならどのように解釈するだろうか。